Black Beast.



家を出る前に確認した
カレンダーの日付は14日。



準備を始めて1週間。
今日は、拓未くんの誕生日。
みんなも何か用意するだろうし、
私も拓未くんには色々と
お世話になっているし。



そんな感じで、誕生日プレゼントを
用意しないわけにはいかなくて、
準備の合間に買ってみたけど
・・・・玲央くんに選んでもらった方が
よかったかもしれない。



いざ渡すとなると、
喜んでもらえるか分からない中身で、
鍵を鞄にしまいながら、中に入った
紙袋をチラリと見た。



「 はぁ・・・・ 」



そんなこと言っても買い直す時間なんてないし、”期待しないでね”とかなんとか言って
さっさと渡してしまおう・・・。



小さな溜息を零して、学校に向けて
足を進めた。



「 柚菜? 」


「 玲央くん・・・おはよう 」


「 ん 」



学校の方からこっちへ歩いてくる人は
この人しかいない。
いつの間にか学校に行く途中で
こうして玲央くんに会って、2人で
登校することに慣れていた。



学校側から逆方向に歩いて来るから
会うのは当たり前な気もするけど・・・。



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