Black Beast.



「 すず!? 」



3人で学校に来たのか、
すずくんの手元を見た璃玖くんが
クラッカーを取り上げて、
サッとポケットにしまった。



「 なにすんだよ! 」


「 ・・・なに? 」


「 あー、いや?なんでも! 」



頬を膨らませて怒るすずくんを
不思議そうに見下ろす拓未くんに
不自然なくらい首を振って
”なんでも”を何度も言う璃玖くんは
怪しすぎる。



「 ・・・サプライズが心配になってきた 」



そんな3人を見ていた私がそう言うと
ふっ、と小さく笑いながら玲央くんが
ポンッと私の頭の上に手を置いて、
髪型をかき乱すように撫でまわしたあと、
3人の元へと近づいていった。



玲央くんが拓未くんに話しかけると、
後ろで璃玖くんがすずくんを
小突いていて、こっそり
クラッカーを返していた。



「 柚菜ちゃ~ん♪ 」


「 わっ!!! 」


「 なに見てるの? 」



後ろからひょっこり顔を出した大勇くんは
私の視線の先を追って、”あ~”と
なんとなく状況を掴めたのか
1人で頷いていた。



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