Black Beast.
璃玖くんと大勇くんは予約した
ケーキを受け取りに一足早く
学校を出ていた。
”寄るところがあるから”と言って
すずくんと希くんはHRが終わってすぐ
どこかへ行ってしまって、
残された私たちは裏口からこっそりと
カラオケへ向かっていた。
「 玲央くんと歩くとなんだか
すごく見られてる感じがする・・ 」
表通りを歩いていると全身に
視線を感じて、繋いでいた手を
ぎゅっと握ると玲央くんが痛いくらい
強く握り返してきた。
「 ッいたたた!!! 」
「 視線なんて気のせいだろ 」
「 ・・・・もう 」
確かに、痛くも痒くもないけど・・・。
握られた手の方が痛いけど・・・。
”気にするな”ってことなのかな?
歩く速度が少し速くなっているし
彼なりの気遣いなのかもしれない。
「 ここ、よく来るの? 」
「 アイツらはな 」
「 玲央くんは? 」
「 うるせーの嫌いなんだよ 」
・・・・なるほど。
ゲームセンターもカラオケも
騒がしいところだもんね・・・。