Black Beast.



どうやらすずくんたちは
チキンを買いに行っていたらしい。



「 拓未、すぐ来るって! 」


「 クラッカーどこ!? 」


「 すずうるせぇよ 」


「 クラッカーこっちにも~ 」



ドアの周りや部屋の奥、
みんなが色んなところに立って
クラッカーを準備していると、
玲央くんが部屋の電気を薄暗くした。



「 雰囲気出るだろ? 」



おぉ!とみんなの声が室内に響いて、
”すぐ”来る拓未くんを今か今かと
クラッカーの紐を握り締めて待っていた。



足音がするたびにすずくんの
”来た?!”という嬉しそうな
声が室内に響いて、だけど足音は
すぐに消えてしまったりと、
なかなか拓未くんは来なかった。










───────────それから、1時間。



「 ・・・遅ぇな 」


「 待って!今度こそ来た! 」



ご馳走を前にして待っていた大勇くんの
小さな呟きのあと、ドアの1番近くに居た
すずくんがそう言った。



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