Black Beast.
────────────ガラッ
「 悪い。遅くなった 」
繋いでいた手をそっと離して、
拓未くんに歩み寄った私は
突然開いたドアの方へ振り返って、
・・・・嫌な予感がした。
「 で、分かったのか、璃玖 」
「 東高だ 」
「 佐渡か? 」
「 いや、黒髪だったらしいから
多分違うと思う 」
小さな舌打ちの後、
璃玖くんを退けて病室から
飛び出そうとした玲央くんを
希くんが腕を掴んで止めた。
「 ・・・離せ 」
「 落ち着けよ、玲央 」
「 ・・・チッ 」
バッと腕を振り払って
私の隣まで来ると、ドカッと
イスに座って怒りを抑えこむように
長く息を吐き出した。