Black Beast.



・・・怒ってる・・・よね?



暗くて、表情は見えないけど、
私を歩かせる彼の力は強い。
離さないと言ってくれたのは嬉しい。



だけど、私は玲央くんが
・・・・・・分からないよ。



少女漫画のように甘い毎日じゃない。
彼に振り回される中で、ふとしたときに
彼のすることが、言う言葉が、
甘さを含んでいる。



それだけで十分だと思ってた。



「 ・・・玲央くん 」


「 ・・・・ 」



だけど、やっぱり私は我侭で、
人に囲まれているのが普通になってしまうと
どうしても欲が出てきてしまう。



「 玲央くん!! 」



もっと、もっと。



こんなときに。そう思ったけど、
だけど、重荷になりたくない。



私を守ると前に言ってくれた。
心強かったし嬉しかった。
他愛ない会話ができるようになって、
あの時よりたくさんの彼の表情を見て、
彼のことを知っていると思う。



だけど、どうしても分からない。



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