Black Beast.
「 もしもーし、璃玖? 」
もうすぐ学校、というところで
その電話が入った。
嫌な予感は的中したらしく、
璃玖くんと話しながら大勇くんが
足を止めると、私たちも足を止めた。
「 ふーん・・・そっか。
じゃ、裏から回るよ。
うん、・・・んじゃね~ 」
そう言って電話を切った大勇くんは
学校の手前で曲がり、細い道へ入っていった。
「 ”いかにも”な連中が校門に居るって。
人数は4人・・・って言ってたかな 」
「 来いって言ってた奴が
自分から来るのか 」
「 まぁまぁ、東高だからね~ 」
「 お前、それ遠回しに貶してるぞ 」
大勇くんに続いて細い道を歩きながらの
3人の会話に苦笑しかできなくて、
ヘラッとしている間に裏門についた。
「 ・・・・いや、おかしいと思ったけど 」
「 俺らもなかなか頭悪いな 」
先頭を歩いていた大勇くんが
裏門の方を見ながら呟いて、
希くんも苦笑交じりにそう言った。
私と玲央くんは無言で
大勇くんたちの視線の先を見ていた。