Black Beast.
「 あ、おはよ~ 」
「 すずくん・・? 」
「 柚菜ちゃん、俺も居るよ? 」
「 ・・・おはよう? 」
細い道を抜けた先で電柱の影で
携帯をいじっていた璃玖くんと
すずくんに会った。
真っ直ぐ先には裏門が見えていて、
同じ学校の制服を着た生徒が
待ち合わせをしているのか
裏門の前に座り込んでいた。
「 ”いかにも”な連中は
校門じゃなかったのか 」
裏門の方を覗いていた私の腰を掴み、
細い道の方へ引き戻した玲央くんが
璃玖くんをキツく睨んだ。
「 校門に居たから俺もこっちから
来たんだよ~。まさか裏にも
居るなんて思わなかったけど 」
「 通せって言って素直に通しては
くれなさそうだねぇ 」
苦笑する璃玖くんの後ろから
裏門の方を覗きながら
口角を上げた大勇くんは
希くんの肩を叩いた。
「 玲央、どうする? 」
それを聞いたのは希くんで、
何が、何を、”どうする”なのか、
私には全く分からなくて、
玲央くんの隣で1人、首を傾げていた。