Black Beast.
「 ───────強行突破、しかないだろ? 」
希くんの問いにそう答えた玲央くんの目は
獲物を見つけた獣のようにギラついていた。
玲央くんは強い力で私を抱き寄せていて、
それこそ隙間がないくらいに
身体が密着していた。
「 お前ら、やり過ぎんなよ? 」
「 ・・・・・努力は、するよ 」
”多分”と付け足して
ニッ、と口元を歪ませた大勇くんと
指の関節を鳴らしていた希くんは
裏門に向かって走り出した。