Black Beast.
────────────バキッ
この人たちに、誘導されていたんだ。
「 ッとに・・・まんまとハメられたなぁ・・・ッ 」
「 お前がな 」
「 玲央だって来てるだろ?! 」
鈍い音に紛れて聞こえる会話からは
彼らの余裕が伝わってきて、
足元に転がる男の人たちは
1人、また1人と増えていく。
「 ・・・あらら、秒殺? 」
倒れこむ男の人たちを見下ろしながら
彼は更に楽しそうに笑い、そして
チロリ、と私を見た。
全身が凍り付いて、顔から血の気が引いていく中彼は1歩ずつ、
ゆっくりと近づいてくる。