Black Beast.
「 ・・・・あらら、庇っちゃうの? 」
「 ッ・・・きゃあぁぁぁあっ!!! 」
クックック、と特徴のある笑い声は
私の悲鳴でかき消された。
私の手を握っていた彼の手から
力が抜けていって、
スルリ、と私の手から離れていった。
「 玲央くん、玲央くん・・・ッ!!! 」
意識はあるのか、片手で頭を押えながらも
なんとか彼は立っていて、
ゆっくり振り向いた彼の制服は
彼の血で濡れていた。
「 うるせぇ・・・
少し切れただけだ 」
「 そうだよ~。今の見てなかったの?
直前で交わしてたじゃん 」
”すごいねぇ”と鉄パイプについた血を
見ながら目を細め、彼は再度
鉄パイプを思いっきり振り上げた。