Black Beast.
「 やっぱ、楽しいなぁ・・・ 」
ゆっくり起き上がりながら
そう言った彼の手はもう何も
掴んでいなくて、重そうなソレは
今度は玲央くんの手に握られていた。
───────────────ゴッ・・・
「 はァい、そこまで~ 」
背中に走った鈍い痛みに
気が遠くなるのを感じた。
玲央くんが振り上げた鉄パイプが地面に
落ちていくのをぼんやり見ながら、
気付けば私は後ろから誰かに抱きしめられていた。
「 こういう予定じゃなかったんだけど、
ケイが暴走しちゃったから予定変更。
仲間の仕返しっていうのもよかったけど、
こっちの方が楽しそうだし?・・・じゃ、
──────────”お迎え”待ってるね 」
ふわり、と体が浮くのを感じながら
私はゆっくり、意識を手放した。