Black Beast.
「 ・・・・目、覚めた? 」
聞き覚えのある声にぼんやりした
意識の中で声のした方へ目を向けると、
いつも、私と一緒に居てくれる
無愛想な彼と同じ、黒髪がすぐ傍で揺れていた。
「 れ、お・・・くん・・・ 」
掠れた自分の声が辺りに響いて、
”彼”にそっと手を伸ばした。
「 ・・・・残念。俺はスナオだよ 」
「 ・・・・? 」
私の手をきゅっと握って、
空いた手で私の髪を撫でると
彼は小さく笑った。
髪を撫でていた手がそっと
下へ下へと下りていって、
私の腹部で手を止めると
グッ・・・と、ゆっくり重みを
かけながら押してきた。