Black Beast.
「 ~~~~うッ・・・ 」
ジワジワ、と痛み出すのは
押されている腹部じゃなくて、背中。
痛みに顔を歪ませ、
悲痛の声を上げても、
彼は止めようとしない。
「 守られてるばっかりで
嫌にならないの?自分が 」
声で、この人が玲央くんじゃないことは
分かっていた。
意識はまだぼんやりとしていて、
そこに痛みのせいで目に溜まっていく涙が
更に視界を歪ませていく中、
私の目に映る彼は、玲央くんにしか見えなかった。
この人は玲央くんじゃない。
「 強い奴の周りほど、俺みたいな奴に
狙われやすいんだよ。分かる? 」
違う。
違う。
この人は・・─────────────