Black Beast.
「 覚えてるかなァ?
懐かしい”同級生” 」
背中の痛みで、身体が重く感じて
起き上がれなかった私は
その一言で逃げようと痛みを
ぐっと堪えながらなんとか
身体を起こした。
最悪を想像していた。
私の中での最悪というのは、
本当に最悪でしかなくて。
「 1年半ぶりの再会、オメデトウ。
葛城さんと、新川さん、それから
紺野さん・・・って覚えてる? 」
私に問いかけるその言葉に
返す言葉なんてなかった。
────────────忘れるわけが、ない。
忘れていたら、
忘れることができていたら、
私はきっと、”こんな所”まで
来ていない。