Black Beast.



あまり眠れていないせいか
授業に全く集中できなくて、
右から左へと抜けていく
授業内容に溜息が出た。



「 ・・・・先生 」


「 北城か、なんだ? 」


「 頭が痛いので保健室に
  行ってもいいですか? 」


「 あぁ、大丈夫か? 」



誰がついて行かせるか、という
先生の問いに首を横に振って
廊下に出ると、私は保健室ではなく
教室へと足を向けた。



課題を取ってから保健室へ行って
そのまま早退させてもらおう。



今日はきっと授業に集中なんて
できないだろうし、帰って
今週の週末課題を片付けた方が
絶対にいい。



寝不足のせいか、それとも
視線を気にしないで
廊下を歩けるからか、足取りが
やたらと軽く感じた。









──────────────ガラッ



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