Black Beast.
「 スナオくん、違うんだよぉ 」
「 なにがァ? 」
口を開いたのは真野だった。
バッと顔を上げた私は
その先を言わせないよう
立ち上がろうとしたけど
膝が震えてその場に座り込んだ。
「 まぁ、確かに原因はソレだけど。
その前からいじめられてたんだよね。
靴箱にゴミ、机に落書き・・・とか
典型的ないじめ 」
「 そうそう。陰口言ってたのが
バレたのと一緒なタイミングで
ソレの犯人も分かっちゃったんだよね 」
真野に続いて美紗が口を開いた。
最後に、愛未ちゃんが耳を塞ぐ
私の手を掴み、耳元で口を開いた。
「 柚が誰かに言っちゃったら
困ることになるから、ちょっとだけ
知り合いの先輩に手伝ってもらって
”オモシロイ写真”撮ったんだよね?柚? 」
”覚えてるよね?”と
耳元で笑う愛未ちゃんは
パッと私の手を離した。