Black Beast.
「 ・・・・ッ嫌・・・!! 」
忘れてなんてない。
忘れるわけがない。
だからこそ、生々しく
思い出してしまう。
「 夜の学校に忍び込んで、
全クラスの黒板に貼ったら
すごい騒ぎになったよね 」
「 あたしらと居たって言っても
柚は大人しい方だったから
衝撃が大きくって 」
私は誰にも話してなんてなかった。
何ヶ月も続いていたいじめは辛かった。
けど、3人が私と居てくれるから
まだ学校は楽しく感じられたし、
男子生徒、女子生徒、どちらにも
人気のあった3人と居る私が
異色だったのも自覚していた。
本当に信用していた3人に
小さいことでも陰口を言われていると知って、
それから更に、いじめの犯人が3人だと
その数日後に知った私は
学校に行ってもほとんど
保健室で1日を過ごしていた。
「 そりゃ、大人しいと思ってた子が
見た感じやばそうな男数人と
写ってる写真なんて見たら
誰でも驚くけどさ? 」
美紗にツッコミを入れるように
そう言った愛未ちゃんは
私の制服の襟を掴んで
思いっきり引っ張ると
胸元のボタンがいくつか飛んだ。