Black Beast.



「 中3の最後、学校に
  来れなかったのに、
  今は彼氏まで作って
  楽しく高校生活送ってるんでしょ? 」



真野がそう言って笑いながら
いくつかある机の上に座って
長い指先で1枚の写真を
私に見せ付けるようにヒラヒラとさせていた。



それが何の写真なのか、
聞かなくても分かった。



「 あの時のことよ~く思い出してよ。
  ・・・・・もう彼氏に会えないでしょ 」



1枚ずつ、頭上から降ってくるのは
その時に貼り出された写真だった。



知らない男の人たちに囲まれた私。
肌蹴た制服に触れる手、
”それっぽい”雰囲気を出す
男の人たちの表情。



その全てが、その時のことを
私に思い出させた。



「 ・・・・・な、んで・・・ 」


「 なんで?なんでって
  誰にでも良い顔して
  あたし達の友達と当たり前のように
 仲良くなっていくのが
  イラついて仕方なかったから 」



”一緒に居るだけで調子にのってさ”



そう付け加えた美紗は
ポケットから数枚写真を出して
”これで最後だよ”と
私の目の前に写真を並べ、
真野の隣へ行った。



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