Black Beast.
手に持っていた写真は
バラバラと床に落ちて、
それを見た3人はクスクスと
小さく笑っていた。
「 あたしたちも? 」
そう言って首を傾げた3人に
コクンと頷いた彼は、彼女たちに
先に行くよう顎でドアの方を差すと
3人は小走りで廊下へ出て行った。
「 アンタさ 」
背中の痛みと、身体の震えで
うまく歩けない私を引きずるようにして
ゆっくりと歩きながら
彼はチラリと私を見た。
「 逃げるようとか思わないわけ? 」
「 ・・・・ 」
「 まァ、逃がす気はないんだけどさ。
それとも何?それどころじゃなかった? 」
そう言われて初めて気付いた。
逃げよう、と思ったのは
捕まったその瞬間だけだった。
”それどころじゃなかった”と言えば、
確かにそうなのかもしれないけど、
それでも、手足は自由だし
本当に逃げたかったら背中の痛みなんて・・・。
「 ・・・なに真剣な顔してんの 」
「 きゃっ!! 」
呆れたような声とともに腕を引っ張られて、
”転ぶ”と思った瞬間に体を抱き上げられた。