Black Beast.



ここに居ても私はきっと
お荷物でしかない。



・・・・そんなことは、分かってる。



「 早く行け! 」


「 ・・・・・ッ 」


「 言っておくけど、下にも
  俺の後輩は居るからね 」



意識がないのか、ぐったりと
フェンスにもたれかかった
ケイスケはピクリとも動かない。



そんな彼の足元に転がっていた
鉄パイプを拾い上げ、
口元を歪めたスナオは
”逃げ場なんかないよ”と
玲央くんに笑いかけた。



「 ここまでこの子を迎えに来た時点で、
  いや、この子が俺に攫われた時点で、
 もうアンタらの負けは決定してたんだよ 」



それでも、早く行け。と玲央くんは言う。
最後の最後まで迷っていた私を庇うように
玲央くんが私の前に立って、









「 ─────────・・ッ・・・柚菜 」




容赦なく振り下ろされた鉄パイプを
片手で受け止めながら、
玲央くんが私を呼んだ。




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