Black Beast.
「 ・・・・・はぁ 」
傍に居たい。
声には出さず、”伝われ”と
強く思いながら玲央くんの制服の裾を
ぎゅっと掴んだ。
深い溜息の後、
スナオの手から鉄パイプを奪い、
遠くへ投げ捨てた玲央くんは
私の手を掴み、引き寄せた。
「 逃げねぇのか 」
「 ・・・・うん 」
「 じゃ、俺から離れんなよ・・・ッ 」
バキッ、と片手でスナオを殴り飛ばした
玲央くんは私の手を離さず、
私の手を引きながら倒れこんだ
スナオの方へ足を進めていった。