Black Beast.
ミシッ、と嫌な音が聞こえるような、
そんな気がした。
これ以上したら、折れてしまう。
そう思いながらも私はただ黙って
玲央くんにしがみついていた。
「 俺に喧嘩売ったこと
後悔させてやるよ 」
「 ッやめ・・・・!!!! 」
痛みに歯を食い縛っていた
スナオの焦ったような声が
ガツンッ、という音に遮られた。
「 玲央、これ以上悪い噂は勘弁! 」
「 どう見てもやり過ぎだって。
柚菜ちゃん、真っ青じゃん!! 」
「 コイツもさすがにもう喧嘩
売ってこないだろ 」
大勇くんに続いて、璃玖くん、
希くんが止めに入ってきた。
気を失ったらしいスナオの肩を
踏んでいた玲央くんの足を
軽く蹴った大勇くんは苦笑していた。