Black Beast.
ジンジン痛む背中とお尻。
ついでに言うと頭も痛い。
私の肩を踏みつけて何か
叫んでいる彼女を止めようとする人なんて
このクラスに居るわけがなくて、
右から左へと話を流して、やっぱり私は
倒れたままの自分の机を見ていた。
「 聞いてんの!? 」
ドアが開いていたら私は
廊下に出されて居たのか、と
ぼんやりそんなことを考えながら
彼女の怒りが納まるのを待っていた。
胸倉を掴まれたのは生まれて初めてで、
苦しさに顔を歪ませた私の頬に
鈍い痛みが走った。
反論をしなければいいんだと思って
口を閉ざしていたのが間違いだったのか、
状況は確実に悪い方へ進んでいた。
「 マキ~ 」
一緒に居た女の子がやっと止めに
入ったものの、その声を振り切って
再度手を振り上げた。
──────────ガラッ
「 おいおい、ドア開かねーよ 」
静まり返った教室内に響いたのは
窓の開いた音と、1人の男の人の声。