Black Beast.
「 そんなことどうでもいい。
お前はケガしてないんだろうな? 」
後ろから抱きすくめられて
苦しいくらいの強い力に
息が詰まる。
同時に、涙がこみ上げてきて、
玲央くんの体温を背中に感じながら
大声を出して泣いていた。
「 お前の顔見るまで、
気が気じゃなかった。
お前がケガしてたらって考えたら
マジで心臓止まるかと思った・・・
───────無事で良かった・・ 」
周りに聞こえないようにしてるのか、
それとも、それ以上声が出ないのか、
耳元で響く掠れた低い声は小さくて
微かに震えていた。