Black Beast.
「 ・・・うん、大丈夫 」
「 ・・・・ 」
私の返事に安心したのか
小さく息を吐き出しながらも、
確かめるように頬や首筋、肩に触れて
くすぐったくて玲央くんの手の動きを
止めようと手を伸ばすと、
ガシッと今度は両手を掴まれ
思いっきり引っ張られた。
「 ひゃっ・・・!!!! 」
ガバッ、と玲央くんの腕の中に
飛び込んだ私は驚きすぎて
しばらく状況が飲み込めなかった。
苦しいくらいの腕の力に温かい体温。
聞こえてくる玲央くんの鼓動に
そっと目を閉じると、
「 本当に、ありがとう・・・玲央くん 」
自然と、口から言葉が零れていた。
「 ・・・・怖い思いさせて悪かった 」
「 ううん。私が、悪いから 」
「 ・・・・ 」
玲央くんが、みんなと別れて
私を連れて来た理由はなんとなく
想像がつく。
さっきの写真、きっとまだ
玲央くんは持ってる。
だから、・・・なんとなく
次に言われることが分かる。