Black Beast.





時々相槌を打ちながら
静かに話を聞いていた玲央くんは
泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。













「 ・・・・なるわけねぇだろ、バカ 」






搾り出すような声でそう言った後、
ぎゅっ、と腕の力を強くして、






「 もっと、もっと泣けばいい。
  もう泣けねぇくらい、今泣けばいい 」






私を甘やかす言葉も、
抱きしめてくれる腕も、体温も。






全てが涙を誘って、
その言葉に甘えるように
泣き止んではまた泣いて、
声が枯れて、目が腫れても
泣いて、泣いて。






気付けば、外は真っ暗になっていた。






< 214 / 336 >

この作品をシェア

pagetop