Black Beast.
「 ・・・落ち着いたか 」
人気がないと言っても、
一応病院・・なんて、今更
思い出しても遅くて、
散々泣いた私の目は赤く腫れて、
喉は枯れて、疲れ切った私は
ぐったりと玲央くんにもたれかかっていた。
息を整えるように深く息を吸って、
吐いてを繰り返していた私の
背中を撫でながら、玲央くんはそう言って
顔を覗きこんできた。
「 ・・・・ごめんなさい・・・ 」
低く、掠れた私の声にふっ、と
小さく笑った玲央くんは
再度私を抱きしめる力を強くすると、
「 やっと、俺のこと真っ直ぐ見たな 」
私の肩に額を乗せて、小さくそう呟いた。
「 ・・・・・え? 」
首を傾げる私の首筋に顔を埋めて、
くすぐるようにキスをした後、
少し寂しそうに口を開いた。