Black Beast.
♯14.大切な仲間
「 あー・・・
そろそろお邪魔してもいいかな? 」
体中の水分を出し切ったと思うほどに
泣き続けた私は、玲央くんに抱きついたまま
ぼんやりと真っ暗な窓の外を眺めていた。
「 ・・・抜け殻になってるね 」
「 まぁ、あれだけ泣けばな 」
笑い混じりの会話を右から左へと
聞き流していた私の頭を撫でながら、
玲央くんはゆっくり立ち上がった。
玲央くんの首に腕を回し、
しがみついたままの私は気付けば
お姫様抱っこをされていて、
いつもの私ならきっと”降ろして”だとか
なんだとか言うんだろうけど、
そんな抵抗をする力は余っていなかった。
「 あれからずっとここに居たの? 」
「 なに笑ってんだよ 」
「 いや、随分優しいんだなと思って 」
玲央くんと話しているのが
大勇くんだって言うのは
声ですぐ分かった。
2人の話し声が遠くに聞こえるのは
私の意識が集中していないからだろう。
瞬きをするのも面倒なくらいに
疲れていて、ただ1点を見つめたまま
ぼうっとしていた。
「 柚菜 」
どこか遠くで私を呼ぶ声が聞こえて、
それでもやっぱり私はぼんやりとしていた。