Black Beast.



元々整った顔立ちをしている彼は
やっぱり寝顔も綺麗だった。



規則正しい寝息をたてている
大勇くんをぼんやり見下ろしながら、
これがあの大勇くんなのかと思うと
私の中の大勇くんのイメージが
随分変わってしまう気がした。



「 そんなに見てたら起きちゃうよ? 」



笑いながらそう言われて、
顔を上げると、水を片手に
すずくんの寝顔を覗き込んでいた
璃玖くんと目が合った。



・・・・人のこと言えないよ。



内心ツッコミを入れながらも、
ソファから少し離れると
璃玖くんが隣まで来て
私の顔を覗きこんできた。



「 ・・・・どうしたの? 」


「 柚菜ちゃんは眠くないの? 」


「 あー・・・うん。
  紫緒さんに驚かされて
  目、覚めちゃったから 」



苦笑交じりにそう言うと、
璃玖くんは笑いながら
”なるほど”とそれだけ言って、
ペットボトルに入っていた水を
飲み干した。



ふぅ、と息を吐いて
眼鏡を外した璃玖くんは
目元を押さえながら
再度息を吐き出していた。



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