Black Beast.
「 ”あの3人”さ 」
「 ・・・・ 」
璃玖くんをぼうっと見ていた私は
ビクッと肩を上げた。
「 もう柚菜ちゃんに近づかないよう
大勇が言ってたから、
こんなことはもう絶対ないよ 」
目元を押さえたまま続けてそう言った
璃玖くんは、ゆっくりこっちを向いて
私と目を合わせると優しく笑ってくれた。
「 ・・・ありがとう 」
「 お礼ならそこで寝てる
大勇に言ってあげて。
俺は少し手伝っただけだからさ 」
”コレでね”と私の目の前に携帯を
チラつかせた。
つまり、”情報で”ということだろう。
苦笑した私に、”俺も寝よ~”と
欠伸を零した璃玖くんはそう言って、
大勇くんの隣に腰を下ろすと
数分後には璃玖くんもぐっすりと眠っていた。
私の知らないところでも
私を守ってくれてたんだね。
疲れきって寝ているみんなに
心の中で”ありがとう”を
何度も何度も言ったあと、
ふと顔を上げると玲央くんと目が合った。