Black Beast.



「 玲央くん? 」



どうしたの、といいかけて
玲央くんが着替えているのに気付いた。



朝も見たけど、私服かっこいいなぁ、と
ぼんやり見ていたら、玲央くんも
私を見ていた。



白色のワンピースは
ヒラヒラしていて正直
少し着ているのが恥ずかしかった。



変だと思ってるのかな・・・
何も言わない玲央くんに
不安が込み上がってきて、
再度名前を呼ぶと、ハッとしたように
顔を上げた玲央くんと目が合った。



「 いや、そっち男風呂しかないって
  言おうとしただけ 」


「 え!?・・・そ、そっか 」


「 なに?入りたかった?・・・男風呂 」


「 そんなわけ・・・・ッ 」



小さく笑う玲央くんに
”そんなわけないよ!”と
言い返そうとしていた私の頭を
後ろから誰かに小突かれて遮られた。



「 ここまで来て痴話喧嘩?
  仲良くしてよ~? 」



振り向くとヘラッと大勇くんが
笑っていて、”喧嘩じゃないよ”と
苦笑混じりに返した。



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