Black Beast.



「 柚菜ちゃんもおいでよ~ 」


「 ・・・・ 」


「 すずに帰っちゃだめって
  言われてたじゃん 」



それでも帰る気だったなんて言えなくて
仕方なく大勇くんたちの方へ行くと
すず君が自分の隣を指差して私に
満面の笑みを向けていた。



「 ・・・・・っ 」



か、可愛い・・・・。



私が入るスペースはどこにでもあった。
大勇くんの隣だけ不自然なくらいに
スペースがあったけど、それでも
この笑顔に勝てるものなんて
あるわけがなくて、私は迷うことなく
すず君の隣に移動して腰を下ろした。



「 いや~、やっぱすずは
  こういうときに強いなぁ 」


「 チャラ男かすずなら断然すずだろ 」


「 ひでぇ!これでもモテるのに!
  ひでーよ!なぁ、拓未! 」



女の子には慣れていそうな大勇くんは
隣でコーヒーを飲んでいた拓未くんの
肩をバシバシ叩いて同意を求めていた。



「 ・・・・うぜぇ 」



チロリと大勇くんを睨むと、
途端に涙目になった大勇くんは
”もういいよ・・”と隣の彼から
目を逸らし、何故か私を見た。



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