Black Beast.
ごめんね。と心の中で謝っても
しょうがない。
「 柚菜ちゃん 」
すずくんと璃玖くんがいつものように
じゃれ合うのを見ていたら
大勇くんが私の髪に触れてきて、
どうしたの、って首を傾げたら
優しく微笑んだ大勇くんが
私の目の前にしゃがみこんで、
「 玲央のことも頼ってあげてね。
さっき風呂で会ったとき、
すごい心配してたよ。
”目、覚ますまでに戻る”って
すぐ上がっちゃったし 」
そう耳打ちされた。
・・・・・お風呂・・って。
さっきの玲央くんとの会話が
頭を過ぎって、目を見開いた私を見て
大勇くんは目を細めた。
「 仲直りしておいで 」
”胸、借りておいでよ”って
くしゃっと髪を撫でて、
大勇くんが襖を開けた。
ありがとう、と大勇くんとみんなに言って
私は1人、大広間を出た。