Black Beast.
「 ムカつくっつーのは、自分に。
辛そうな顔する割りに何も
言わねぇし、行き先聞いたら
絶対何か言うと思ってたのに
黙ってるし、八つ当たりだよ 」
「 ・・・・八つ当たり? 」
「 ・・・・聞き返すなよ 」
私の肩に顔を埋めながら
彼がバコッと私の頭を叩いた。
部屋に戻ってきて、電気も点けずに
話していた私たちはしばらくして
そっと体を離した。
「 ・・・・・頼れよ、俺を 」
「 頼ってるよ・・・? 」
「 もっと 」
「 えっ 」
グイッと、彼が私を抱き上げて、
隣の部屋に移動したかと思うと
いつの間にか敷かれていた布団の上に
ゆっくり降ろされた。
少し大きめの窓から差し込む
月の光が眩しくて、目を閉じると、
バサッ、と・・・何か、変な音が聞こえて
そっと目を開けた。