Black Beast.
布団の上にうつ伏せに倒れた私の上に
玲央くんが覆い被さっていて、
起き上がろうとすると、彼が
後ろから私の両手を掴んだ。
背中に感じる重みに
心臓がハレツしそうになって
ぎゅっと目を閉じる。
「 すっげぇうるせーな、心臓 」
背中に耳をあてていたらしい彼は
子どもみたいな感想のあと、
手をそっと離すと、ぐるんっと
再度私を仰向けにさせた。
「 ・・・・ッ 」
なんて言ったらいいのか分からなくて、
とにかく心臓がうるさくて。
恥ずかしくて、顔を逸らした。
「 なに考えてんの、柚菜? 」
「 ・・・・ッな、なにも・・・! 」
「 ふーん? 」
チュッ、と部屋にリップ音が響いて、
首筋に熱が集まる。
・・・・恥ずかしい・・・恥ずかしい・・・!!