Black Beast.
夏だから暑いっていうのもある。
だけどそれ以上に、いつもより
更に近くに居る彼のせいで
体温が上がって、熱い。
全身に響く自分の鼓動と
耳の奥まで届く彼の吐息。
ど、どうしよう・・・・
緊張と、恥ずかしさで
身体が動かなくて、
どうしよう、と戸惑っている間に
彼の手が私の顎を掴んで、
自分の方へ向けた。
「 ───────その顔、やばいからやめろ 」
とにかく熱くて、恥ずかしくて。
ただそれだけ、なのに。
「 ・・・・え?顔? 」
「 別に、”そういうこと”しようと
思って来たわけじゃねぇから。
・・・・つーか、お前には無理だろ 」
前髪を撫でながら彼はそう言って、
額、鼻、頬とキスを落とした。