Black Beast.
「 全部飲んでもいい? 」
「 んー 」
まだ少し眠いのか、
欠伸をしながらの返事を聞いたあと、
ペットボトルにそっと口をつけた。
大分冷えている部屋の中だし
多分顔は赤くないと思う。
・・・けど、多分、気付かれてる。
「 なに?恥ずかしいの? 」
ニヤニヤと朝から口元を歪め、
首を傾げる彼は、震える私の手を
ジッと見ていた。
見ていないところでなら
多分、何も考えずに
飲めちゃうんだろうけど・・・
やっぱり本人が居る目の前で。って
いうのは恥ずかしくて。
ニヤニヤと私を見ている
彼から顔を逸らし一気に飲み干した。
「 もう!意地悪! 」
「 なに怒ってんだよ 」
悪戯が成功した子どもみたいな笑顔に
キュンとしてしまう自分に
バカじゃないの。って怒りながら、
空になったペットボトルを
彼に投げつけた。
「 ゴミはゴミ箱へ、だろ? 」
パシッと軽く受け止められて
そのままゴミ箱に投げ捨てると
ジリジリと彼が詰め寄ってきた。