Black Beast.
「 れ、玲央くんがわる・・・っ 」
ガシッと顎を掴まれて、
半ば無理矢理顔を上げさせられる。
強い力に自然と口が開いて、
噛み付くみたいに口を
開いた彼がゆっくり近づいてくる。
・・・・・・朝から、心臓が・・・!!!
こんなんじゃ、1日持たない。と
危機感を覚えながら、ぎゅっと
目を閉じた。
─────────────ガラッ
「 おふたりさーんっ
ご飯の時間ですよ~ 」
「 ・・・・あ、やば 」
ドアの開く音と、大勇くんの陽気な声。
開けっ放しの襖のすぐ向こうで
キスされかけている私を見て、
拓未くんは何かを悟ったように
ボソッとそう言うと、バンッと
ドアを閉めてしまった。