Black Beast.
「 ・・・・ぅ・・ッ~~ 」
声を必死に抑えていたら、
不意に、髪を撫でられて
そっと顔を上げた。
「 ・・・・どうした? 」
薄っすら目を開けた玲央くんが
掠れた声でそう言いながら
ぎゅっ、と抱きしめてくれた。
「 起こして、ごめんね 」
震える声で謝ると、
”別に”と彼は起き上がりながら
そう言って、おいで、って
手を広げられて、上体を起こした彼の
膝の上に乗って、強く抱きついた。
いつもの私なら絶対しないし、
できないだろうけど、
恥ずかしさなんて感じないくらい
今は玲央くんにくっついていたくて、
ただそれだけだった。