Black Beast.
どうしたんだと聞かれても
何も答えられない。
言葉にできない感情しか
私の中にはなくて、
なんだかそれが苦しくて。
どこかで何かが詰まっているような、
そんな感覚だった。
眠れもしなくて、長い時間を
ただ寝て過ごしていたら
添い寝するみたいに隣に
玲央くんが寝てきて、
何も言わず私の髪を撫でると
額にキスを落とされた。
「 腹、へってないか? 」
「 ・・・ん 」
「 ん、でも夜は食えよ? 」
「 ・・・・ 」
「 嫌っつっても食わせるけど 」
苦笑交じりにそう言って、
”まぁ、ゆっくりすればいい”って
前髪を撫でられる。
「 柚菜? 」
玲央くんに手を伸ばしたら
手を掴んで、グイッと
身体を起こさせてくれた。
熱があるわけでもないのに
ぼうっとした頭の中に
ずっとずっとぐるぐるしている
言葉があって。