Black Beast.
「 俺が海で言ったこと
覚えてるか? 」
「 ・・・・? 」
体を離して、まだ少し赤い顔を見て
笑った私を小突いた玲央くんは
コツン、と額に額をくっつけてきた。
「 ”お前もその内分かるだろ” 」
伏せた目を見ていたら、
玲央くんがボソッとそう言った。
「 ・・・・え? 」
「 覚えてねぇの? 」
「 ・・・・じゃなくて 」
不思議そうに玲央くんを見る私を
玲央くんも不思議そうに見ていて、
端から見たらなんだかすごく変な
光景なんだろうなって思いながら
「 あの時、嫉妬してたの?玲央くん 」
パッと浮かんだ疑問を、
玲央くんに投げかけた。