Black Beast.




「 ”俺はいつでも妬いてるんだぞ”? 」


「 いや、それは違うだろ 」




声のした方に、玲央くんと2人
ゆっくり目を向けると
開いた襖の隙間からひょっこり
大勇くんと希くんが顔を出していた。




「 え~、玲央、俺も気になる 」


「 ってか大勇、お前邪魔しすぎだろ 」


「 だって、”みんなで”楽しむ旅行だよ?
  玲央のラブラブ見せ付けるための
  旅行じゃないんだよ? 」




大勇くんの後ろから拓未くんの声がして、
襖の向こうで言い合いが始まった。




「 ・・・・お前ら、なにしてんだよ 」




抱きしめていた腕をパッと離して
起き上がった玲央くんは
バシンッ、と勢い良く襖を開けて
大きな溜息を零した。




「 言っとくけど、来たのは今さっきだよ 」




璃玖くんのニヤニヤした顔に
バシッと枕を投げつけた玲央くんは
最悪だ、と顔を片手で覆いながら
再度溜息を吐いていた。




< 311 / 336 >

この作品をシェア

pagetop