Black Beast.
「 もう遅刻してるし、
授業は昼からでもいいんじゃない? 」
「 ・・・・で、でも・・・ 」
「 それに、昨日倒れてから今まで
ずっと寝てたんだし、シャワーとか
色々時間かかるでしょ 」
ね?と首を傾げた彼、大勇くんと
しばらく目を合わせた後、
ベッドから降りてバスルームへ向かった。
「 ・・・・あれ? 」
どうして制服畳んであるんだろう。
バスタオル、・・・下着まで用意されてる。
洗面台の鏡に映った私は
どうやらスウェットを着ているらしく、
寝起きで髪もボサボサだった。
「 さ、桜井くん・・・? 」
「 んー?呼んだ? 」
開けてもいいの?と言いながら
開いたドアの向こうに不思議そうな
顔をして立っているのはやっぱり彼で、
記憶が正しければ私は去年から
ここで1人暮らしをしていたはず・・・。
部屋の鍵は私しか持っていないし、
そもそもこの部屋の場所を知っているのは
担任と、あとは親くらいのはずだ。
「 何でここに・・・? 」
「 あー、まぁそこらへんは
長くなるから後で話すよ。
とりあえず支度しておいで! 」
目を細めた彼はドアを閉めて
”早くしないと覗くよ~”と
笑っていたけど、あえてスルーした。