Black Beast.
「 んっ・・・!!やめ、ッ・・・玲央くん! 」
ピッ、と頬に1本赤い線。
柚菜に触れる俺の手を振り払おうとした
柚菜の手は、俺の手を振り払うことも、
俺の頬を叩くこともできなかった。
・・・・が、微かに爪が俺の頬を掠り、
”猫に引っかかれた”ような傷ができた。
「 ・・・・ごめんなさい・・・ 」
別に痛くないのに。と思いながらも、
泣きそうな顔で俺の頬にそっと触れ、
キスをする柚菜は、ついさっきまで
俺のキスを拒んでいた。
───────────本当に、気まぐれで
・・・・どうしようもなく可愛い。