Black Beast.
「 大勇くん・・・ 」
「 あ、俺のこと知ってるの?
今度遊ぼうね~ 」
頬を真っ赤に染めた彼女を離し
今度は私の目の前に立つと
温かい手が頬に添えられた。
「 う~ん・・・赤くなってるから
保健室行こうか? 」
「 いえ・・・大丈夫です 」
「 遠慮しないで!
可愛い女の子に優しく手当てするのが
俺の生きがいなんだから! 」
ひょいっと私を抱き上げると
”大勇くん”と呼ばれた彼は
そのまま教室を出てしまった。
一緒に居たもう1人の彼を置いて
保健室に向かって廊下を進んで行く。
「 ああいう時は助けを呼ばないと
だめだよ~。俺が止めなかったら
絶対もう1発やられてたよ? 」
「 ・・・・ 」
「 まぁ、黙って見てる方も
どうかしてるんだけどさ~ 」
当たり前のように集まる生徒の視線から
逃れるように顔を両手で覆うと、
”恥ずかしがりやさんなんだね”と
彼は笑っていた。