Black Beast.



鉄の扉が閉まり、玲央は
多分、柚菜ちゃんのところへ行った。



それからしばらくして戻ってきた
玲央の後ろには、今にも逃げ出しそうな
柚菜ちゃんが居た。











───────────・・・・?



違和感を覚える。っていう感覚は
どうも気持ちが悪いものだった。



獲物を見つけた獣みたいな目をして
そのくせあっさり柚菜ちゃんから
手を離したから驚いた。



「 おい・・・嘘だろ・・・ 」



キスに夢中、というか、
突然のキスに戸惑っている柚菜ちゃんには
俺たちの声なんか届いていないだろう。



けど、玲央にはきっと聞こえてたはずだ。



「 あの玲央が・・・? 」


「 あの表情(カオ)・・まじだろ 」



捕まえた獲物の味見を楽しむ獣。
楽しそうに目を細めて、
苦しそうな柚菜ちゃんの表情を見ていた。



< 48 / 336 >

この作品をシェア

pagetop