Black Beast.
鉄の扉が閉まり、玲央は
多分、柚菜ちゃんのところへ行った。
それからしばらくして戻ってきた
玲央の後ろには、今にも逃げ出しそうな
柚菜ちゃんが居た。
───────────・・・・?
違和感を覚える。っていう感覚は
どうも気持ちが悪いものだった。
獲物を見つけた獣みたいな目をして
そのくせあっさり柚菜ちゃんから
手を離したから驚いた。
「 おい・・・嘘だろ・・・ 」
キスに夢中、というか、
突然のキスに戸惑っている柚菜ちゃんには
俺たちの声なんか届いていないだろう。
けど、玲央にはきっと聞こえてたはずだ。
「 あの玲央が・・・? 」
「 あの表情(カオ)・・まじだろ 」
捕まえた獲物の味見を楽しむ獣。
楽しそうに目を細めて、
苦しそうな柚菜ちゃんの表情を見ていた。