Black Beast.
わざわざ俺たちに見せ付けるように
目の前でするってことは、
”手、出すな”って言ってるのと
同じようなものだ。
「 玲央、お前・・・ 」
気を失った柚菜ちゃんを
抱き上げた玲央は満足気に
口元を歪めていた。
「 こんな女、居たんだな 」
「 ・・・・? 」
「 拒むんだよ、俺を 」
玲央を笑わせる女なんて
居たんだな・・・。
「 まぁ、佐渡には指一本
触れさせねーよ 」
そう言って玲央は拓未に
道案内させながら彼女を送って行った。
──────────・・・・?
柚菜ちゃんが心配なのは
俺が巻き込んだから・・・だ。
玲央が柚菜ちゃんに何かするんじゃないか、なんて・・・一瞬そんなことを気にしていたようなそんな気がした。