Black Beast.



180cmはありそうな身長の男の人に
抱き上げられる感覚は・・・・最悪。



「 泣いてるの? 」


「 ・・・・ッ 」


「 もう少しで保健室だからね?
  叩かれたのが痛かったのかな~ 」



ガタガタと震える私に気付いたのか
歩くスピードを速めると、本当に
すぐ保健室に着いてしまった。



委員会中でどの先生もそっちに行っているらしく保健室にも先生は居なかった。



「 はい、着いたよ~。
  しばらく冷やしておこうか? 」



長いすの上に私を降ろすと、彼は手当てに
必要そうなものを探し始める。
常に私に話しかけるように何か呟きながら
室内を歩き回っていた彼は濡れたハンカチを
持って来て、そっと私の頬に添えた。



「 大丈夫だから。
  泣かないで・・・って、え? 」



平手打ちは初めてされたし、
それはそれは痛かったけど・・・
あれくらいで泣くわけがない。



助けてくれる人が居ないことは
最初から分かっていたし、
私が泣くような要素は1つもない。



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