Black Beast.
「 ────────ってところかな 」
「 ・・・じゃあ、私を守るために
部屋に居たってことで・・・ 」
「 いいわけねーだろ 」
拓未をマネて適当に話をまとめたけど
俺の内心なんかを言うわけもなく、
本当にあったことを適当にまとめて
話しただけだった。
結局俺が部屋に居た理由は言ってない。
長い話で誤魔化したつもりだった。
柚菜ちゃんを送ったのは
玲央だってことだけ伝えたかった。
「 え?2人一緒に来たんじゃ
なかったんですか? 」
「 んー?別々だよ 」
柚菜ちゃんを可愛くしたのは
間違いだったと玲央を見た瞬間思った。
綺麗すぎる髪に触れたいと思ったから、
この子を飾りたいと思ったから、どっちも嘘じゃない。
・・・ただ、俺は人を選ぶタイプの人間で、
そう簡単に人の髪のセットなんかしない。
玲央はそれを知ってる。
だからまぁ、勘違いしてるんだろうなぁ・・・。
「 ただ単に柚菜ちゃんを迎えに行くついでに
窓から入って驚かそうかと思っただけだよ 」
「 普通に玄関から来てください・・・ 」
「 はーいっ 」
最初にこれだけ言っておけば
あんな長い話しなくて済んだんじゃん・・・。